Long Walk – Francesco Tristano

ラジオっていうのは自分が選曲しないので(当たり前か)、まったく趣味に合わない時もありますが、新しい領域に出会える可能性も秘めています。
今回は運転中NHK-FMでかかってきたピアノ曲を聴いていて、「お。ゴルトベルクだー。」と意気揚々としていたのですが、とにかくピアノがすごい。きちっとコントロールされているし、クラシックではあんまり聴かれないような思い切ったタッチですっかり感服してしまったのです。これはCDを買おう、と。そして最後のクオドリベートの変奏を待っていたのですが、なかなか始まらない。あれー?と思っていたらなんとバッハのゴルトベルク変奏曲ではなくて、ブクステフーデの曲でした。これにも大変驚きました。
バッハが、ブクステフーデに深く影響を受けていた、ってお話は実は初耳で、こういう情報も一緒に届けてくれるのもラジオの利点ですよね。
バッハがブクステフーデの演奏会を聴きにながーい距離を徒歩で旅して「Long Walk」ってわけです。
5曲目が私が勘違いしたブクステフーデの「ラ・カプリツィオーサ」。新進気鋭のピアニスト、トリスターノの名演が聴かれます。ピアノの弦はこんなにもいろんな鳴り方をするのかと、再発見できました。

ロング・ウォークロング・ウォーク [CD]
アーティスト:トリスターノ(フランチェスコ)
出版:ユニバーサル ミュージック クラシック
(2012-12-19)

日本版がおすすめ。ライナー・ノートが勉強になるから。
ちなみに、このアルバムはバッハの旅になぞらえているコンセプト・アルバムのため、1枚を通してストーリー性を持っています。トリスターノ自身も作曲する方で、オリジナル曲も交えて。こちらはクラシック色は強くなく、また、曲によっては録音の作り方が大きく違うため、意見が分かれそう。私は雑食なので全然OKです。これからはクラシックの演奏家といえど、こういう挑戦的なアルバムが増えるかもしれませんね。